2010-01-01から1年間の記事一覧

田中萬年先生キャンペーン実施中

ブログでのご紹介が遅れてしまいましたが,田中萬年先生よりご著書『教育と学校をめぐる三大誤解』(2006年)と『働くための学習―「教育基本法」ではなく「学習基本法」を』(2007年,以上いずれも学文社)をご恵送いただきました。ありがとうございます。い…

『比較教育社会史研究会通信』をあなたも読むことができますよ。

『比較教育社会史研究会通信』第9号が送られてきました。いつものことながら,ご苦労様です。3月下旬に開催された春季大会の報告号です。私も場違い感まる出しながら,「松塚俊三・八鍬友広(編)『識字と読書』合評会」(2-4頁)という小文を寄稿しています…

シラバスお蔵出し――あるいは「各論に落とす」こと

職業教育や職業訓練が重要であることは論をまたない。人は一生教育制度・訓練制度のなかに閉じこもったまま生涯を終えるわけではなく,ほぼすべての人は,いずれ「社会に出る」という名の職業への移行をはたすわけであるから。にもかかわらず,戦後日本の教…

『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』

串田秀也・好井裕明(編)『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』世界思想社,2010年。編者の好井さんからいただきました。ありがとうございます。頂いてからエントリあげるまでにずいぶん間があいたのは,↓以下にみるように本当は参照したかった他の文献が…

地方国立大学の存在意義をかけた奮闘

もともと新聞はとっていないし,引っ越してからはテレビもつないでいないので,宮崎県での口蹄疫拡大続発のニュースがマスメディア上でどの程度のウエイトで報道されているのか,今ひとつピンときていないのですが,宮崎は個人的に縁のある土地でもあるので…

自分つっこみ

ほとんど絶望的に歴史的パースペクティヴの欠如した(現代対象の)「実証系」研究者と, ほとんど絶望的に現代的問題意識の欠如した「歴史系」研究者って,似てるよね。歴史のための歴史。好事家の自己満足。ここに「理論系」も加えてやりだすと無用に敵を増…

ねじれの補足。

連休中は故あってフーコーの精読をしておった。思ったよりもはかどらなかったが,いたしかたない。当分,この作業を続けないといかんだろうなぁ,と思う。いま思い立ったが,いっそのことこれからは「遅れてきたフーコディアン」を名乗ろう......かと…

四六答申と教育学

ゆっておくが,これは教育学「もどき」の書きなぐったメモである。昭和42(1967)年に諮問され昭和46(1971)年に答申が出された中教審の「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」,いわゆる「四六答申」といえば,1990年代初…

新構想大学

連休前に2本,連休明けに1本締め切りを抱え,やっと訪れた春の陽気にも関係なく家に閉じこもっている今日この頃,みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか?締め切りを抱えているときにはブログを更新しにくい,というのはよく言われることでし…

研究課題は締め切りました&...(あんど,てんてんてん)

前回エントリで含みを残したままだった研究課題公募の延長ありやなしやの件ですが,残念ながら今回についてはやはり,ここで締め切りにさせていただきます。変な期待をもたせてしまった方がいらっしゃったとしたら申し訳ないです。ごめんなさい。すでに力量…

研究課題の公募ですが,いったん締め切らせていただきます。

急なことこのうえない話ではありましたが,前回エントリにて研究課題を公募させていただきました。ツイッター上でのリツイートその他の反響もいただき,思いのほか多くの方に真摯にご検討いただけたことに感謝申し上げます。「こんな過疎ブログで...」と…

急な話ですが,研究課題を公募します。

突然ですが,以下の要領において研究課題の公募をいたします。森個人による私的公募です。研究会全体によるものではありませんので,その点銘記してください。今年度から3年間にわたって,広田照幸(日本大学)教授を代表とする共同研究「社会理論・社会構想…

ただいま。

というわけで,やっと帰ってきたわけである。いやどこに,ってこの部屋に。これまでの人生でも最大級のジェットコースター的1ヶ月であった。まぎれもなく自分の人生の1コマであったわけだけど,なんかドラマをみているような日々だった...4年間勤めた…

偉くなること

ずいぶん長く部屋を空けていたので,くだらない話題で調子を戻しましょうか。3月26日から28日にかけて,メンバーシップ制のある(らしい)若手部会のも含めて比較教育社会史研究会なるものに行ってきた(←いやこれはくだらなくないよ,このあとの話が,です…

「読むこと」「書くこと」の社会史の問題領域

※しばらく,このエントリをトップに置くことにしました.新しいのは下にきます.ご了承ください.※ お蔵出し.識字と読書―リテラシーの比較社会史 (叢書・比較教育社会史)作者: 松塚俊三,八鍬友広出版社/メーカー: 昭和堂発売日: 2010/02メディア: 単行本購…

『識字と読書』への期待

松塚俊三・八鍬友広編『識字と読書――リテラシーの比較社会史』(昭和堂,2010年). この本は多くの人びとに読まれるべき本となろう.まだはまぞうで検索してもでてこない.2月刊予定である.出版社のホームページから入っていくと章立てのみ公開されている…

『思想地図 vol.5 社会の批評』,いただきました。

編者の北田さん,編集部よりお送りいただきました。ありがとうございます。もうすでに周知の事実となっているかと思いますが,北田さんが責任編集委員としてかかわる最後の『思想地図』,『思想地図』第一期の完結号,特集・社会の批評です。今号はもっぱら…

「大学紛争」と「オープン教育」:備忘

書くべきエントリを書く間もないまま,しかし急いで備忘のために書きなぐっておきたいことができた。丁寧に書く時間もないし,ブログで書くようなレベルの話でもない。もっと大きなまとまった形で描くべき全体のパズルの示す図柄が,ぼんやりとだが,しかし…

ありがとう。そして,おめでとう。

今日のエントリはまったくの私信になってしまうと思いますが,お許しください。みなさん,卒業おめでとう。そして4年間,私を支えてくれてありがとう。みなさんが岐阜聖徳の学生であったその同じ時に,岐阜聖徳の教師であれたことに対して,感謝しています。…

「異学年型教科センター方式」とは何か?(2):ちょっとブレイク

待たれよ,次回...とまで言っておいてなんなんだお前は,ということではあるが。至民中学校の「異学年型教科センター方式」とは何か,それは「教科センター方式」と「異学年型クラスター制」との組み合わせ式教育実践である,ということは,いただいたパ…

「異学年型教科センター方式」とは何か?(1):っていうか,その前に「教科センター方式」とは何だ?

最初に言うとくけど,長いよ,今回。 至民中 北陸本線・福井駅から南西に7キロ弱,車で20分ほど走り,人家や商店街,街道沿いの大型店舗などから離れて田んぼが広がるなかを少し行くと小高い丘陵のふもとまで来る。その里山の尾根部分の斜面を削って平地にし…

いろいろと。

年度末,あわただしくしております。いろいろと負債がたまっておるわけです。・先日,某先生から文字通りのご叱咤いただきました某データの入力&コード化&コードブック作成作業は空き時間をみつけてはコツコツと継続中であります。来年度中には形にするっ…

いただきました。

年度末に向けていろいろと気忙しい。ゆっくり何かを考える余裕がない。こういうとき,実証のフィールドをもっていると助かるなあ,と感じる。とりあえず,体力勝負の調査を進めていれば,なにがしかの“前進”は実感できる(←錯覚,という可能性大ではあるが)…

社会移動と知識/技能修得(1)

教育社会学の教科書をひも解けば,教育社会学が分析の対象とする(学校)教育の社会的機能として「社会化」機能/「選抜・配分」機能/「正当化」機能の3つが挙げられている(か,前2者のみが挙げられている)だろう。そのうち教育社会学の発展の原動力とな…

教育の「個性化」「自由化」は必ず「教育の格差」を拡大させるか?

↑まあ,「個性(化)」とか「自由(化)」という言葉をどういう意味で用いるか,に依存するわけだが。昨日,日本の個別化・個性化教育のメッカ(?)愛知県東浦町にある小学校まで出向き,研究授業(というのとも若干違う趣旨の授業公開だったんだけど)を見…

入試業務のあいまに復習など

昨日,地方会場の入試業務(入試は3日間,前日現地入りだから3泊4日,なげぇーよさすがに)から帰還。やっぱり無意識のうちに気を張ってるからか疲れる。今日一日泥のように重い体で過ごす。入試期間中唯一の楽しみは,夜,ご当地おススメのお店で教員・事務…

twitter復活(?)

なんかtwitterとブログの脳内機能分化が進んできたがゆえに少しずつtwitterが機能し始めましたのでお知らせしておきます。念のため申し添えれば「脳内機能分化」なんて言葉はたぶんありません。http://twitter.com/mnaoto少なくともtwitterは学会でいうと懇…

徒労と収穫

昨日報道を目にしてからその日のうちに長文エントリ一気に書き上げましたが,翌日には鳩山さん,給食費未納分の子ども手当からの天引き案は引っ込めてくださったようでなによりでした。さんきゅっ,長妻っち。これからもよろしく!ということで,まあ冷静に…

「給食費未納」分は「子ども手当」から天引きするかもの件

鳩山首相が山梨県での自治体首長との懇談後,首長側からの要望を受け,給食費滞納世帯については未納分を「子ども手当」から天引きする形で対応する方向で法案を見直す可能性に言及したようです。私は長期的には,「生まれてきた以上,〈生まれ〉によらずど…

ありやなしや,と

ブログ界隈で地味〜で堅実な資料調査をされている歴史家の様子を垣間見るにつけ,そういう作業がなんにもできていない最近の自分が悲しくなるのであった。ま,ぼく歴史家じゃないっすけど。そんなこんなで現在の職場でやるべきすべての講義を終えた。最後の…