2016-01-01から1年間の記事一覧

何のために実践を見るのか

某日、シクレルの読書会に参加した。たいへん有意義だった。再読となった文献もさることながら、シクレルのもとで勉強された某先生が何気なく漏らされる(昔の)お話をとても興味深く拝聴した。これまで欠席が続いたことを悔いた。世話役の方のご都合により…

「さとにきたらええやん」をみにきたらええやん

いやほんまに。みたらええやん。たしかにシン・ゴジラも面白いかもしれない。とくにゴジラの暴れっぷりはよかった。「よい」っていうのもどうかと思うが、あくまで映画的に。けれどあれにはあんまり「ひと」がでてこない。「さとにきたらええやん」。重江良…

多様な教育機会と教育費メモ

末冨芳『教育費の政治経済学』(勁草書房、2010年)、第3章「「公私混合型教育費負担構造」の法システムとその流動」末冨によれば、日本の教育費負担構造の特徴というべき私費割合の高さの根底には、公教育費(「設置者負担主義」)の支出範囲と金額に関する…

社会の・多様な教育機会

このエントリは某研究会の備忘メモである、が、メモに至るまでの前置きは長い。 1.戦後の_「日本の学校」の_歴史 「学校の外」にも「教育」と呼びうる営みは存在する。もちろん。それを指して「社会教育」という日本語もある。公民館や図書館・博物館だけ…

第11回 教育の歴史社会学コロキウム

※追記(2016-08-27)台風10号の接近に伴う天候悪化の予報のため、30日に予定されていたコロキウムは延期となりました。9月下旬に再度日程調整のうえ実施されるとのことです。※追記(2016-09-02)コロキウムの振り替えは、10月22日(土)13:30〜17:00となりま…

比較教育社会史研究会 2016年春季例会プログラム

本ブログを開設した当初の目的は(実は)比較教育社会史研究会の開催告知をネット上にだすということでした。その後、「教育の歴史社会学コロキウム」が発足してからはその告知もしております。が、どうも前回のコロキウムは告知し忘れたようですな。とうと…

根本問題

「話のポイントがずれている。これまで公教育から排除されていた異質な要素を新たに組み込むのだとして、それでもそれが『公教育』であるという、その新たな境界線はどのように引かれるのか。新たに構想されるべき教育の公共性、教育の公共的意義をどのよう…

【恵投御礼】『子どもと貧困の戦後史』

連休の谷間の昨日、大学に出向いたところ、すばらしい共著の本が2冊、レターボックスに届いておりました。1冊目は、相澤真一・土屋敦・小山裕・開田奈穂美・元森絵里子『子どもと貧困の戦後史』(青弓社、2016年)。目次等はこちら。著者のみなさまよりお送…

【恵投御礼】『概念分析の社会学 2――実践の社会的論理』

すばらしき共著本、2冊目は、酒井泰斗・浦野茂・前田泰樹・中村和生・小宮友根編『概念分析の社会学 2――実践の社会的論理』(ナカニシヤ出版、2016年)です。同じくナカニシヤ出版から2009年に刊行された『概念分析の社会学――社会的経験と人間の科学』の続編…

「頭の悪さ」

社会学は、たとえば経済学がそうなっているような意味では学問として体系化されにくく、体系化されていない。だから学問の習得のプロセスでは、自分の問題意識を明確なかたちで言語化し、具体的な対象との関連のもとで、問いや「視点」や手法を一つひとつ「…

(レジュメ) 「天野郁夫と教育社会学――近代化論から(比較)高等教育システム論、その歴史研究へ」

そんなわけで過日、日本教育社会学会がこの数年取り組んでいる「若手研究セミナー」なる企画のなかで、天野郁夫による講演「私の教育社会学研究50年」のコメンテイターなる意味不明の役を務める。斯界を代表する研究者の半世紀におよぶ研究生活に「コメント…

二次分析研究会成果報告会週間

今週は東大社研SSJデータアーカイブ開催の二次分析研究会のうち、2つの成果報告会に出席した(例年複数行われており、今年は「参加者公募型」で2回、「課題公募型」では6つの研究会が立ちあがっていた模様。詳しくは東大社研SSJDAのページを参照のこと)。ひ…

2015年度 二次分析研究会 成果報告会

年度末が近づいてきました。ここ数年、東京大学社会科学研究所が神奈川県民生部の委託により1960年代前半に実施していた複数の社会調査を、原票のデジタル復元&データセットの作成&分析する研究会にかかわっており、今年度も例により1年間の成果報告会が開…

第9回 教育の歴史社会学コロキウム

すっかり告知用ブログと化しつつありますが、例によって忘れないうちに。教育の歴史社会学コロキウムも第9回。前回に続いて、統一テーマが設定されてというよりは「ひと」で選ばれた企画でしょうか。前回が京大系だったとすると今回は東大系。ただし、歴史研…

どうしてもやってしまう。

大学の専任の教員になって2年目の冬にえらいインフルエンザに罹った。ん? あれ? なんか体調おかしくね? と思う間もなく猛烈な悪寒が全身を襲い、体中の節々は痛み、炎上したブログのページビュー・カウンターのごときスピードで熱は上がる。一度経験した…

「私の教育社会学研究50年」

えらいこっちゃ。「私の教育社会学研究50年」。牛丼一筋80年、みたい趣きである。そんなことゆうてたらまた怒られるで。日本教育社会学会では数年前から学会内に「教育部」という部局を立ち上げ、2日間にわたる「若手研究セミナー」を3月下旬に開催している…

「課題研究の報告」と「テーマ部会の募集」

もう去年の話になってしまいますが、こちら(課題研究「戦後の教育政治を問い直す@駒澤大学9月10日(木))で告知していた企画には多くの方々にお集まりいただき、盛会のうちに終えることができました。報告&コメントくださった登壇者や当日会場でお手伝い…