2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

心底驚きの年越し

「林竹二」,承前.私が初めて「林竹二」と出会うこととなった学部生時代の講義「放送教育」だが,それを非常勤で教えにきておられた戸崎賢二先生.あたかも私はそのお名前をずっと覚えていたかのように前エントリでは書いているわけだが,実はこれ,川本さ…

林竹二,きた?

以前こちらでご紹介した「林竹二」と,それを導きの糸とする東大教育学部の「西洋教育史概説」を講じておられる川本隆史さん.なんとびっくり,その川本さんご本人から「林竹二」関連その他の諸論考をご恵送いただきました.(実は頂いてからだいぶ間があい…

「農家の長男」の野中広務

さて,進学から就職までのプロセスをどのように経験したかは,その後の人生に大きな影響を及ぼす.客観的な社会移動の軌跡に影響を及ぼすというだけでなく,最近の研究では社会に対する信頼感や価値観にも影を落とすことなどが実証的に明らかにされているら…

野中広務の「教育の歴史社会学」的スケッチ,その2

魚住昭『野中広務 差別と権力』(講談社文庫)である.ある意味,野中氏が今あるような文脈で「解読」される欲望の対象となることを決定づけたノンフィクション作品.もちろん,その延長上にここ数日の本ブログでの「筆遊び」もあるわけだが.本書のもととな…

アッコちゃんライブ

先週は月曜にシンポ観覧のため東京に行ったほか,私事でもやや大きな動きがあってたいへん.そんななか金沢21世紀美術館・シアター21で開催された矢野顕子・出前コンサート「ベーゼンドルファーを弾く vol.12」へ,息抜きに.毎年12月に行われる「さとがえる…

野中広務と戦後日本・序

「野中広務」という存在は「戦後日本」を理解するうえで有効な切り口になりうると思う.以下,備忘メモ.昭和初期〜戦時体制下で少年期を過ごす(1925〜1945).この時期の彼の履歴で重要なことは,旧制中学に進学したという事実と,中学卒業後,進学ではな…

「野中広務」シンポ,とりあえずの報告

14日(月),行ってきた.これにあわせて昼間いろいろ個人的な案件処理(←おおげさ)を詰め込んだので疲れた.フォレストでの食事会,なんか敷居が高くて行けんかった.後悔.北田さん,お疲れさま.「話法」の違う登壇者の話をまとめる(かのように見せる)…

地方入試会場での思い出

今年の予定も入れるとここ3年ほど地方入試会場(←いや大学本体がすでに「地方」なんですけどね)の担当.うちは一般入試3日間行うので(ホテルに軟禁状態),入試最終日には教員・事務職員はもちろんのこと,受験生との間にもなんかしらん「仲間意識」みた…

「野中広務」をめぐり(3)―「教育の歴史社会学」的スケッチ

野中氏の政治家としての達成や歴史的意義,ということにはさしあたり触れず,そして,彼の「出自」についても,通常注目される意味でのそれにはさしてウエイトを置いていない視点がどこに向けられているのか,ほとんどの人には意味不明でしょうが,一応,彼…

「野中広務」をめぐり(2)――’99、夏。

野中広務(2003=2005)『老兵は死なず―野中広務全回顧録』文春文庫.96年橋本内閣発足から引退を決意する2003年自民党総裁選までの回顧録.改めて振り返ると,97〜98年金融危機への対応と,自自公連立政権を成立させたあとの各種重要法案の成立ラッシュが00…

「野中広務」をめぐり(1)

14日東大情報学環シンポ「闘争としての政治/信念としての政治」にむけて予習. 野中広務・辛淑玉(2009)『差別と日本人』(角川書店).・すでに言われつくしていることだし自分でもかつてちょっとだけ触れたこともあり今更なのだが,戦後日本を考えるうえ…

Social Class in Contemporary Japan

Hiroshi Ishida & David H. Slater(eds.), Social Class in Contemporary Japan: Structures, Sorting and Strategies(Routledge, 2009.11)キタ!...ってか出た!Social Class in Contemporary Japan: Structures, Sorting and Strategies (Nissan Inst…

ゆっくりと、振る。

むかし,どのTV局だったか忘れてしまいましたが,「野茂現象」として,メジャーリーグを目指し日本のプロ野球界をスキップして(といっても,実際にはそもそも日本の野球界で注目されるほどの実力もないまま)渡米する若者を追うドキュメントっぽい特集があ…

思想地図vol.4

エントリが遅れてしまいましたが,編集部よりご恵投いただいておりました.ありがとうございます.遅れているあいだに(そんなことと無関係に)発売初日に増刷が決まりましておめでとうございます.私も読ませていただきまして,今までの本誌(全部で4号です…