23日、2014年度二次分析研究会 成果報告会

これまた直前で申し訳ありませんが、2014年度二次分析研究会 課題公募型研究 成果報告会「戦後日本社会における都市化のなかの世帯形成と階層構造の変容」が次の月曜(←)に開催されます。東大社研SSJDAセンターのページにはすでに告知がでておりました。

昨年は生活時間部分のデータ化がまだでしたので「中間」報告という形でしたが(二次分析研究会2013 課題公募型研究成果報告会(中間報告)盛会御礼:「戦後日本社会における都市化のなかの世帯形成と階層構造の変容」)、今年度は生活時間分析の部分を多く含んだ報告会となる予定です。ただ、生活時間分析の多様な可能性を追究しつくす、というにはまだまだ時間が足りず、いくつか試行的に(とくに渡邉さんのものは果敢に)新しい分析の方向性を模索するような、それとして「中間」的な報告となるでしょう。むしろ、会のなかでいただいたご質問・ご指摘を踏まえてさらなる展開を目指す機会にできれば幸いです。

「社会調査データの復元」とそれに立脚した「計量歴史社会学」の試みに興味のある方、生活時間調査、団地調査、住宅調査、およびその分析、もちろん「団地」そのものや日本の高度成長期、都市、家族、階級、、、総じて「生活」、などなどにご関心の向きは足をお運びいただければ幸いです。

コメンテーターは豪華な布陣となりました。とくに矢野眞和先生は日本における生活時間の社会学的分析の草分け的存在で(もありま)す。

なお、この共同研究は、この間、相澤真一さんら実働部隊を中心に進められている東大社研・労働調査資料復元プロジェクトの一環という側面もあります。「社会調査データの復元」作業の具体的内実についてはすでに論文(PDF)相澤真一・小山裕・鄭佳月, 2013,「社会調査データの復元と計量歴史社会学の可能性――労働調査資料(1945-1961)の復元を事例として――」『ソシオロゴス』37, pp. 66-89.がでておりますのでご参照ください。貴重な報告となっています。

この具体的な作業の手触りを伴う限りにおいて、これは単なる「二次分析」とは異なる位相で「(計量)歴史社会学」を自称しうるのではないか、という思いを抱いております。

2014年度二次分析研究会 課題公募型研究 成果報告会
「戦後日本社会における都市化のなかの世帯形成と階層構造の変容」


日時:2015年3月23日(月)
会場:東京大学本郷キャンパス 赤門総合研究棟 5階 センター会議室


第一部(10:30 〜 12:00)  本研究会のねらい
司会:佐藤香東京大学) コメンテーター:橋本健二早稲田大学
◆「団地居住者生活実態調査(1965年)」の概要とデータについて
報告者:森直人(筑波大学)・渡邉大輔(成蹊大学)   
◆「団地調査」は何を調査したのか?
報告者:祐成保志(東京大学) 


第二部(13:00 〜 14:30) 団地居住者の生活時間
司会: 佐藤香東京大学) コメンテーター:仁平典宏(東京大学
◆団地空間の同質性と異質性
報告者:佐藤和宏東京大学)・武岡暢(日本学術振興会)・小山裕(東京大学
◆生活時間のマクロ―ミクロ分析
報告者:渡邉大輔(成蹊大学)・小山裕(東京大学
◆テレビと「家族談笑」
報告者:森直人(筑波大学)  


第三部(14:45 〜 16:15) 団地家族のライフスタイル
司会:佐藤香東京大学) コメンテーター:土屋敦(徳島大学
◆団地のなかの子どもたち
報告者:相澤真一(中京大学)  
◆誰が母親に変わるのか―団地における養育時間とその規定要因
報告者:石島健太郎(東京大学) 
◆家具の普及は家事時間を変えたのか?
報告者:渡邉大輔(成蹊大学)    


総括討論(16:30 〜 17:00)
コメンテーター:矢野眞和(桜美林大学