(告知その1)比較教育社会史研究会2017年春季例会

年度末、いろんな業界でご多忙なことと拝察しますが、日本の場合、研究業界も例にもれず、3月の週末はさまざまな研究会、講演会、シンポジウムその他の企画が重なります。ということで日程の差し迫ったものもあって恐縮ですが、身のまわり、案内の届いたものからいくつかご紹介。

まずは比較教育社会史研究会から2017年春季例会プログラムのお知らせです。

当研究会立ち上げから主要メンバーのおひとりとしてかかわってこられ、昭和堂から刊行されている『叢書・比較教育社会史』では『国家・共同体・教師の戦略――教師の比較社会史』(松塚俊三・安原義仁編、昭和堂、2006年)や『識字と読書――リテラシーの比較社会史』(松塚俊三・八鍬友広編、昭和堂、2010年)で編者としても牽引役になってこられた松塚俊三先生の定年ご退職、ということでしょうか、これまでの研究生活を振り返る講演が予定されています。

それに先立つ第1部では「犯罪者のリテラシー」というセッションが企画されています。19世紀イギリスの犯罪者のリテラシーについて、報告者のお二方が「同一の史料」から「異なる議論」を展開される、とのこと。

ほう。

たいへん興味深い。まったく別の研究会で「史料データセッション研究会」なる――ML登録だけさせてもらっていて未出席ですごめんなさいごめんなさい――議論の場も身のまわりにありますが、発想としては同系列の試みでしょうか。これまでの比較教育社会史研究会にはなかった企画ではないかと思います。内容もさることながら、史料論としても刺激的な議論が期待されます。コメンテイタも「犯罪・警察史」と「リテラシー史」の両観点から充実のラインナップ。

ご関心の向きは、ぜひ。

比較教育社会史研究会2017年春季例会


日時:2017年3月27日(月)
会場:大阪大学 豊中キャンパス 法経研究棟7階大会議室


第1部 「犯罪者のリテラシー」セッション(12:30〜14:30)
司会:岩下誠(青山学院大学
報告者:
山本千映「産業革命期イギリスの識字率―スタッフォードシャーの事例―」
三時眞貴子「19世紀前半イギリスにおける犯罪少年のリテラシー
コメンテイタ:林田敏子(摂南大学)、八鍬友広(東北大学


第2部 講演(15:00〜18:00)
司会:三時眞貴子(広島大学
スピーカー:松塚俊三(福岡大学)「研究を振り返って」
コメンテイタ:金澤周作(京都大学)、岩下誠(青山学院大学


懇親会(18:45〜)

国家・共同体・教師の戦略―教師の比較社会史 (叢書・比較教育社会史)

国家・共同体・教師の戦略―教師の比較社会史 (叢書・比較教育社会史)

識字と読書―リテラシーの比較社会史 (叢書・比較教育社会史)

識字と読書―リテラシーの比較社会史 (叢書・比較教育社会史)