シンポジウム「子どもの貧困対策のネクストステップを考える」

新年が明けました。しばらく放置していた本ブログですが、ぼちぼち更新していきます。今年もよろしくお願いします。

2017年10月に、末冨 芳編『子どもの貧困対策と教育支援――より良い政策・連携・協働のために』明石書店という本が出版されました。その出版記念イベントとして、各章を執筆した研究者・実践者・当事者が集い、さらには子どもの貧困対策に取り組む自治体関係者も招いて開催されるシンポジウムのお知らせです。

編者の末冨さんとは「多様な教育機会を考える会」でご一緒しており、「お知り合いの教育関係者、自治体関係者、研究者、院生さん、学生さんに広くご案内ください」とのことでしたので、こちらでも告知いたします。なお、末冨さん以外にも本書の執筆者には「多様な教育機会を考える会」のメンバーや、それがらみで森が今後イベントをご一緒する予定の方、それとは別に森が所属する研究会で一緒のメンバーもおられまして、要するに私も学生・院生複数名を引き連れて参加するつもりでおります。

参加費無料当日参加も可能とのことですが、資料準備の都合上、suetomi.nihondaigaku[アットマーク]gmail.com 宛てに「氏名・所属・参加人数・メールアドレス」を記載のうえ、事前申し込みにご協力ください(なお、問い合わせ先は日本大学文理学部教育学科事務室とのこと)。

シンポジウム「子どもの貧困対策のネクストステップを考える」


日時:2018年1月28日(日)13:00~17:30(12:30開場)
会場:日本大学文理学部・本館地下1階センターホール
京王線・下高井戸あるいは桜上水下車、徒歩8分)


■13:00~13:10 開会の言葉・シンポジウム趣旨説明:末冨 芳(日本大学


■13:15~14:15 第1セッション
「学校プラットフォームの進化にむけて――子どものための協働と学校文化の変革」
・進行:末冨 芳(日本大学
・報告者:
 柏木 智子(立命館大学)/横井 葉子(スクールソーシャルワーカー
 行政1(広島県)/行政2(静岡市


■14:30~15:30 第2セッション
「若者への支援を考える――大阪・神奈川の居場所カフェと東京のユースソーシャルワーク
・進行:白川 優治(千葉大学
・報告者:
 梶野 光信(東京都)/柊澤 利也(東京都)
 野田 真由美(大阪府高校SSW、み・らいず)
 石井 正宏(パノラマ理事長)/村尾 政樹(あすのば事務局長)


■15:45~16:45 第3セッション
「学習支援と生活支援――子どもと家族に寄り添う支援をどう普及させるか?」
・進行:佐久間 邦友(郡山女子大学
・報告者:
 渡 剛(あっとすくーる理事長)/川口 正義(スクールソーシャルワーカー
 杉村 佳代子(てのひら副代表)/畠山 由美(だいじょうぶ理事長)


■16:45~17:15 フリーセッション
「子どもの貧困対策のネクストステップを考える」
・行政事例紹介:逗子市


■終了後、名刺交換会 17:30まで


■18:00~20:00 懇親会

内容はもちろんのこと、終了後に名刺交換会の時間もある、充実のシンポジウムです。

なお、前掲著書(末冨 芳編『子どもの貧困対策と教育支援――より良い政策・連携・協働のために』明石書店)について、出版社サイトでの内容紹介から。

子どもの貧困問題を「なんとかしたい」と考えている全ての人のための本。子どもの貧困そのものではなく、「どのように子どもの貧困対策を進めればよいのか」に焦点をあて、最前線で挑戦を続ける研究者・実践者・当事者たちが協働した。自治体・学校関係者必携。

目次


第1部 教育支援の制度・政策分析
第1章 子どもの貧困対策と教育支援(末冨 芳)
第2章 乳幼児期の貧困とソーシャルワーク(中村 強士)
第3章 子どもの健康支援と貧困(藤原武男)
第4章 スクールソーシャルワーカーを活かした組織的・計画的な支援――義務教育の学校からのアプローチ(横井 葉子)
第5章 ケアする学校教育への挑戦――排除に抗するカリキュラム・マネジメント(柏木 智子)
第6章 就学援助制度の「課題」――就学援助率はどのような変数の影響を受けているか?(末冨 芳)
第7章 制度化される学習支援――制度化によって学習支援はどう変化するか(佐久間 邦友)
第8章 高校における中退・転学・不登校――実態の不透明さと支援の市場化(酒井 朗)
第9章 貧困からの大学進学と給付型奨学金の制度的課題(白川 優治)


第2部 当事者へのアプローチから考える教育支援
第10章 静岡市における学校プラットフォーム化(末冨 芳・川口 正義)
第11章 高校内居場所カフェから高校生への支援を考える(末冨 芳・田中 俊英)
第12章 ユースソーシャルワーカーによる高校生支援(梶野 光信・柊澤 利也)
第13章 生活支援からの子どもへのアプローチ――「認定NPO法人だいじょうぶ」の実践から(畠山 由美)
第14章 より効果的な学習支援への挑戦(渡 剛)
第15章 当時者経験から伝えたい子どもの貧困対策(佐藤 寛太・久波 孝典)
終 章 「すべての子どもを大切にする」子どもの貧困対策(末冨 芳)

子どもの貧困対策法の成立や、生活困窮者自立支援法にもとづく学習支援事業の実施などを通じて、徐々にではありますが、ここ日本でも「子どもの貧困(対策)」というアジェンダは一定の認知を得つつあります。本書ならびに本シンポジウムは文字通り、「その次のステップ」を考え模索する実践・行政・研究の各界の垣根を越えた取り組みです。

当該テーマに関心のあるすべての人に、おすすめします。

子どもの貧困対策と教育支援──より良い政策・連携・協働のために

子どもの貧困対策と教育支援──より良い政策・連携・協働のために