二次分析研究会2013 課題公募型研究成果報告会(中間報告)

ちょっと話は変わりますが、こういうの(PDF)があります。直前ですが参加希望があれば事前申込みをお願いします。

今回は中間報告です。1965年データの復元作業をやっているので、データ紹介とほんのさわりの分析等にとどまりますが、お知らせまで。

一緒に報告する相澤真一さんや小山裕さんは、コメンテーターのお一人である橋本健二さんを研究代表として行われた1950年代の社会科学研究所所蔵の労働調査資料(「京浜工業地帯調査(従業員個人調査)」「貧困層の形成調査(静岡)」「ボーダー・ライン調査」「都内壕舎生活者調査」)の復元作業と二次分析ですでに実績があり、その成果報告書はここ([PDF]『社会科学研究所所蔵「労働調査資料」の二次分析』)にあります。

なにせ膨大な規模のデータですので、いまだ暫定的な分析結果ですが、とくに橋本さんが執筆している「京浜工業地帯調査」の二次分析では、同じ調査の日本鋼管川崎製鉄所データの二次分析によって「企業封鎖的労働市場」(氏原正治郎)の「未成立」をいった菅山真次さん(『「就社」社会の誕生』名古屋大学出版会、2011年)の主張とは異なり、「『企業封鎖的労働市場』が戦前期にある程度まで成立していた」と結論しているのが注目されます(35頁)。ただし、どういう要因が「成立」に効いているのかはまだよくわからない、と。こういうのは計量社会学者が強いところですので、今後がまたれるところです。

話がずれました。

今回のデータは高度成長期まっただ中の時期の神奈川県の6つの団地居住世帯を対象とした生活時間調査データの復元作業です。ただし、今回の報告は調査の紹介、調査実施の文脈の提示、フェイスシート部分のシンプルな分析結果の提示にとどまる予定です。最終成果報告会は来年の同時期に開催されると思います。

二次分析研究会2013 課題公募型研究成果報告会
「戦後日本社会における都市化のなかの世帯形成と階層構造の変容」


2014年3月26日(水)13:00〜16:00 東京大学赤門総合研究棟5階センター会議室


司会:佐藤香東京大学


◆団地居住者生活実態調査(1965年)の概要と分析の課題について
 報告者:森直人(筑波大学)    
 コメンテーター:土屋敦(東京大学)    


◆団地調査と1960年代前半の神奈川県民生部の社会調査
 報告者:相澤真一(中京大学
 コメンテーター:土屋敦(東京大学)    


◆社会的境遇・住居形態・世帯構造:1951-1965
 報告者:小山裕(日本学術振興会
 コメンテーター:橋本健二早稲田大学)    


◆社会調査史のなかの「団地」 
 報告者:祐成保志(東京大学
 コメンテーター:橋本健二早稲田大学)    


◆総括討論