比較教育社会史研究会2011年秋季例会プログラム

そもそもこのブログの立ち上げは、比較教育社会史研究会という研究ネットワークの勝手告知機能を担おうというのが重要な目的の一つであった。それから2年半以上、会そのものの立ち上げからは間もなく10年。会の性格も以前に比べれば徐々に変容しつつある。

それでもなおこうした形で告知することには意味があるだろうし妥当性も失っていないだろうということで、直前になってしまったが興味のある方向けにお知らせ、である。

なお、今回の秋季例会も「「子ども」の保護・養育と遺棄に関する学際的比較史研究」科研研究会(「保護・遺棄」科研)との合同大会として開催するということで、とくに後半の部会はそちらの色彩が濃くなろうかと思います。

しかしながら、前半の部会は今いちばん熱い(!)イスラーム部会の報告、後半は「保護・遺棄」科研の流れで「福祉国家と教育」にかかわる議論の枠組みを整理するために設けられた場ということで、とくに前半のような趣旨での・水準の高い報告をもとにした・まとまった議論ができる場、は他にそんなにはないのではないかと思いますので、ご関心の向きはぜひ。

比較教育社会史研究会2011年秋季例会プログラム


日時:2011 年11 月6日(日)
場所:お茶の水女子大学・本館1階会議室(103 号室)


プログラム:
午前10 時半〜午後1 時 「イスラームと教育」部会
司 会:長谷部圭彦(学振特別研究員)
報 告:
松尾有里子(お茶の水女子大学研究員) 「近代オスマン帝国における女子教育の制度化」
山崎 和美((財)中東調査会)「「近代的イラン女性」と女子教育に関する議論――「ナショナリズム」「シーア派イスラーム」「フェミニズム」の視点から」
コメント:香川せつ子(西九州大学


午後2 時半〜午後5時 「福祉国家と教育」部会
司 会:未定
報 告:
橋本伸也(関西学院大学)「福祉国家と教育をめぐる論点の整理――主としてヨーロッパの文脈から」
中野智世(京都産業大学)「ドイツ社会国家論の再検討」

ということです。

この研究ネットワークが当初明瞭に有していた開放性という条件がなかったなら、私の研究関心の射程も、人間関係の広がりも、今あるそれには遠く及ばない水準のものであったに違いありません。