「大学紛争」と「オープン教育」:備忘
書くべきエントリを書く間もないまま,しかし急いで備忘のために書きなぐっておきたいことができた。
丁寧に書く時間もないし,ブログで書くようなレベルの話でもない。もっと大きなまとまった形で描くべき全体のパズルの示す図柄が,ぼんやりとだが,しかし確実に私のなかで輪郭を見せ始めた。私が最初に抱いていた直観がかなりの程度,正鵠を得ていたわけだ。
それは,日本のオープンスクール教育運動,個別化・個性化教育の歴史に(も)60年代末の「大学紛争」は大きな影響を及ぼしている,ということ。表にはっきりとは見えない形で,けれども,確実に。
期せずして確証が得られた(と思う)。
やはり,オープン教育運動あるいは個別化・個性化教育というのは,原武史『滝山コミューン』が描いた「全生研」のネガ,ではなかったか(このような言い方に不適切な短絡があることは重々承知のうえで)。「全国生活指導研究協議会」というのが一方の転回であり,「全国個性化教育研究連盟」が他方への旋回。
さらにここに「生活綴り方」教育運動の系譜が挿入され,もう一つ遡行すれば当然「大正自由教育」運動がそこにある。しかし,単なる「教育運動」のお話としてこれを描いてしまうのは,“今わたしたちがいる地点”を測量するものとしての「歴史」を不当に切り詰めてしまうことに他ならない。そして,違う角度から言えば,たとえば小熊英二さんの「若者たちの叛乱の終焉がもたらした遺産」の総括に対して,私としては重大な疑義を呈することになるだろう。
とてもスリリングな一つの戦後史。それにしても原さんは1974年の「滝山団地」に威容を誇った「全生研」の王国を「滝山コミューン」と名づけた。ではその同じ時に「東浦町」に産声をあげた,あの斬新な学校建築と挑戦的な教育実践の空間のことを,私は何と名づけければよいだろう?...その呼び名が私のなかで誕生した瞬間に,このパズルは完成する。
一体何を書いているのか,↑これだけで分かる人はおそらく地球上に3人ぐらいしかいないのではないかと思うが(←誰だ?),一つだけはっきりしていることは,今私がとても興奮しているということだ......研究者として,ね。
そしてもう一つ言えることは,やっぱちゃんと事実の“裏”をとるって大事だね,と。
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