「メタくん」と「ベタくん」

拙論も掲載されている『思想地図』vol.2(特集:ジェネレーション)ですが,vol.3 &vol.4 のセールスに下駄をはかせてもらって(かどうかは知らぬ)増刷出来.第2刷見本,編集部よりお送りいただきました.ありがとうございます.

自分のが載ってるからというわけでもないのだが,この第2号,個人的には一読者として同誌のなかで一番気に入っている号である.両編集委員のあとがきが対照的な筆致であることが印象的だが,私の読後感としては北田編集委員のほうに近い.それは2人とも制度化されたアカデミズムの世界に(ある意味では)“守られている”からこそなのかもしれない.“シーンを創る”という悲壮な使命感をあえてもつべき必然性はない(いや北田さんにはあるのかもしれませんが).

毎号お送りいただいているので私の本棚にも『思想地図』棚(というかNHK棚というか)ができた.色とりどりで見ていて楽しい.1号からの表紙色の順番にも味わい深い由縁があるそうだが,それは知らぬ.

もうひとつ,世のなかの好みと個人的好みがズレていて若干悲しいのが同誌の「表紙イラスト」の件である.

榎本俊二さんのがかわいいじゃん!

これもまた第2号のが一番のお気に入りである.わが家では,跳び転げながら上から眺める白い子を「メタくん」,地べたを這いつくばりながら下から前方を見やる黒い子を「ベタくん」と呼んで愛でている.

「メタくん」と「ベタくん」,なかなかいい表紙だと思う.

ところが残念なことは,第2号からやたら太く(ぶっとく)なった帯が「ベタくん」を隠してしまっているのである.ざんねん!

こういう帯,はやってるんですか?

帯をもうちょっと細くして「メタくん」と「ベタくん」,両方みえるようにしてほしかった...個人的には「ベタくん」のほうに感情移入するたちなだけになおさら...

「ベタくん」を不可視化する表紙帯を選択してしまったことが,第5号での,こういう形での「休刊」を運命づけていたとは言えまいか?

......言えまいよw

NHKブックス別巻 思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション

NHKブックス別巻 思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション