比較教育社会史研究会2010年春季大会プログラム

今年も比較教育社会史研究会の春季大会のプログラムが確定したようです.3月27日(土)と28日(日)の2日間,同志社大学今出川キャンパスです.今年はこの前日26日(金)にも関連研究会のプログラムが決まっていて案内も届いていますが,こちらはメンバーシップ制のある研究会だということで本ブログ上でのお知らせはいたしません.

今回の目玉は,この間本研究会が継続的に取り組んできた「イスラーム圏と教育」および「保護と遺棄の子ども史」・「福祉国家と教育」に関連するセッションに加えて,2冊の著書の合評会がもたれるところです.一つは先日も本ブログでご紹介いたしました橋本伸也『帝国・身分・学校――帝政期ロシアにおける教育の社会文化史』(名古屋大学出版会),もう一つは『叢書・比較教育社会史』の最終巻である松塚俊三・八鍬友広編『識字と読書――リテラシーの比較社会史』(昭和堂,2010年2月刊予定)です.

後者『識字と読書』については,本研究会において「識字と読書」セッションが立ちあがったときの部会の様子をレポートした小文を『研究会通信』という本研究会のニューズレターに寄せたこともあり,個人的にも思い入れのある著書の刊行となりました.多くの人の目にふれるべき著書となると思います.近いうちに本書の目次とあわせて,その小文も本ブログにアップします.

とりあえず,研究会プログラムをどうぞ!(プログラム中,敬称略ということでひとつ)

日時:2010年3月27日(土)、28日(日)
場所:同志社大学今出川キャンパス寧静館(N)5階会議室


プログラム:


〈3月 27日(土)〉
午前 11時〜午後 1時頃 『帝国・身分・学校――帝制期ロシアにおける教育の社会文化史』合評会

司会:服部伸(同志社大学
評者:増井三夫(ドイツ教育史,上越教育大学),伊藤順二(グルジア史,京都大学

※橋本伸也『帝国・身分・学校――帝政期ロシアにおける教育の社会文化史』(名古屋大学出版会,2010年)は既刊.


午後 2時半〜午後5時半 セッション「イスラーム圏と教育」(仮称)
司会:塩崎美穂(お茶の水女子大学
報告:長縄宣博(北海道大学)「「帝国」とイスラーム・ネットワーク――欧露のムスリムの場合(19世紀後半から20世紀初頭)」
    渡邊祥子(東京大学大学院)「アルジェリアウラマー協会の自由アラブ教育運動――1930年代から50年代にかけて」
コメント:山崎和美(財団法人・中東調査会


〈3月 28日(日)〉
午前 10時〜午後 0時半 松塚俊三・八鍬友広編『識字と読書――リテラシーの比較社会史』合評会

司会:橋本伸也(関西学院大学
評者:杉仁(日本近世史),巽由樹子(ロシア史,東京大学大学院)

※松塚俊三・八鍬友広編『識字と読書――リテラシーの比較社会史』(昭和堂,2010年)は 2月中下旬には完成,書店の店頭にならぶ予定です.


午後 2時〜午後 5時セッション 「保護と遺棄の子ども史」
司会:江口布由子(佐賀大学非常勤)
報告:三成美保摂南大学)「ドイツにおける生殖法制の展開 --嬰児殺・断種・中絶にみる<保護=遺棄>の選別基準」
    岡部造史(武蔵野大学非常勤)「フランス近現代の児童保護史をめぐる研究状況」
コメント:高田実(下関市立大学

懇親会は27日終了後に予定されています.この機会にネットワークを広げたいとお思いの,とくに若い院生・研究者の方は,ぜひ.