制度設計と人口規模のはなし

一部ですごく話題になっている東氏出演の朝生でしたが(途中までみてた,風呂上りにテレビつけてそのまんまw),個人的に非常に面白かったのは制度設計と人口規模の話が少しふくらんだこと.

実際の文脈では,ルソーの話が出て,「24000人(ぐらい)」っていう人口規模の重要性みたいな話が出て,これって今の日本なら「村」の規模だよねって話が出て,今の日本でmixiとかtwitter使ったら中小の市町村レベルなら直接民主制が実現できるよねって流れで政治家こんなにはいらねえだろ,ということになってた.

こっからmixiとかtwitterの話とはぜんぜん関係なくて,制度設計と「人口規模」の話.教育の領域でも「人口規模」が有する独自の社会的効果というのはもっと検討の対象になってよいことだとずっと気になっている.あんまりそこを突っ込む論文を目にしないのだが(いやあっても私が勉強していないだけなのだが),PISAとかの結果をみて上位の国(・地域,以下同様)がみんな中小規模国家である(「小規模」ばかりって言ってしまってもいい),っていうのはどうしてなの?(→学力研究のみなさま) 日本より上位に入っている国で日本より人口規模(ついでにいうと経済規模も)大きい国はない(し,同等規模の国すらない).逆に言うと日本は大規模国家としては世界トップの「高学力」国である.

経済規模が大きい=「豊かな国」と読み替えれば,その要素は移民「流入」の重要な誘因となるから,移民=母語の異なる子どもの割合が高くなるほど全体として学力が低下する要因となる,なんていう理路はわかりやすい.しかし人口規模と「豊さ」は必ずしも線形関係ではない.独立の要因としての人口規模が教育パフォーマンス(=学力)レベルに及ぼす効果は現在の研究で理論的にどのように説明されているのか?(よく言われることだがフィンランド兵庫県の人口より少ない,とか).それとも人口規模は何か他の重要な社会的要因の代替指標に(事実上)なっているのか...なんかすっごく初歩的なことのような気がしてきたけど...

いまなんにも手元に資料を用意せずに書いているのでいろいろ瑕疵があるエントリ(↑)だと思うけど,教育を考える際,「人口規模」という要因の独自の効果に注目することは重要なのではないかと思う.少子化がどうとか,そんな話なんかよりずっと重要な気がする.教育の行政規模と効果との因果関係.