比較教育社会史研究会2009年秋季例会のプログラムが決まったよ(だいたい)

ここ数年,唯一継続的かつ主体的に参加しつづけている学会「もどき」.「学会」じゃないから.あんな形式的な場所じゃないから.

いろいろ経緯があったようで,当初予定されていたものから若干の変更を加えて決まったようです(もしかしたら報告者に追加があるかもしれませんが(邪推)).今回は科研(挑戦的萌芽研究)「「子ども」の保護・養育と遺棄をめぐる学際的比較史研究」研究会と比較教育社会史研究会との合同例会として開催されるそうで,これまでとはその点だけ少し異なりますが,会の趣旨その他に大きな違いはありませんので,お気づかいなく.以下,プログラムを貼りつけます.

比較教育社会史研究会・「「子ども」の保護・養育と遺棄をめぐる学際的比較史研究」研究会 2009年度秋季合同例会プログラム(改訂版)

◇10月31日(土)午後1時〜午後6時:「福祉と教育」若手部会セッション
関西学院大学梅田キャンパス アプローズタワー1407号教室
【報告者】
山岸利次(宮城大学) 「ヴァイマル期ドイツにおける教育と「社会」概念」
塩崎美穂(お茶の水女子)「幼保二元体制と<家族>という福祉思想」
その他


◇11月1日(日):「保護と遺棄」セッション
関西学院大学梅田キャンパス アプローズタワー1408号教室

●午前11時〜1時 :広田照幸『格差・秩序不安と教育』『ヒューマニティーズ・教育学』合評会
【評者】
望田幸男(同志社大学名誉教授)
橋本伸也(関西学院大学
森直人(岐阜聖徳学園大学


●午後2時〜5時頃:「保護と遺棄」をめぐる研究動向と研究課題の検討」セッション
【報告者】
沢山美果子岡山大学客員研究員) 日本に関する研究動向
江口布由子(佐賀大学非常勤)・中村勝美(西九州大学) ヨーロッバに関する研究動向

以前お知らせしたときに予告されていたのとは若干変わりました.1日目にこれまでの当研究会にとっては「異質な感じ」と(私が)称していた発表は都合でなくなったようです.

いくつか会の世話役を務められている方からの案内を紹介します.

・従来とは異なり今回は「共同研究」としての内実を深めるために「福祉と教育」あるいは「保護と遺棄」に関する研究動向を把握し,解明すべき主題についてよりつっこんだ議論をすることに主眼を置いた,とのこと(科研との合同にしたから,ね).

・その一環として当初お知らせしていたプログラムからは変更し,広田照幸さんの新著2冊の合評会を行う.狭義の教育社会史の文献ではないが,教育や「子どもの保護・遺棄」問題に関わる歴史研究が立脚すべき現実認識に関わって貴重な視点を示されていることから,この例会でも取り上げることにした,とのこと.

・秋季例会初日は若手部会のための場として設定した.「若手部会」は独自の研究会活動を積み重ねているが,従来通り,開かれた研究会としての性格は堅持しているので,ひろく関心をお持ちの皆さんのご参加をお待ちしております,とのこと.ただし,,,

・若手部会は,「若手」を自認する研究者が,独自の世話人体制のもとで自発的に運営しているグループです.部会の運営・連絡の都合上,比較教育社会史研究会の本体とは若干異なり,「ゆるやかなメンバーシップ制」を取っていますので,このセッションに参加希望の方は事前にご一報下さい.部会世話人にお伝えするよういたします,とのこと.

最後の点,もしもこのブログをきっかけに参加してみようかと考えていらっしゃる方は,本ブログ・プロフィール欄にある私のアドレスまでメールください.私から連絡させていただきます.

懇親会もあるから興味ある人は来てね.
会場はネットで調べて来てね.
参加費(たぶん500円)は用意して来てね.
もしも1000円だったらごめんね.

今回は従来と違って,ディープな個別研究のめくるめく世界はお預け.ただし,そのぶん,今後の研究課題がどこにあるのか,どのような方向に研究が進んでいくべきかについての指針をめぐって議論がたたかわされるはず.こういう場に出向く意義は,ふだんの自分だけでは得られない研究上の「インスピレーション」を得ること.その意味では,今回の例会こそその場にふさわしいものとなるでしょう.

ちなみに私は2日目前半の合評会では,2冊の新著の「直接の書評」からは離れて,いま自分がやり始めたこと(1970年代以降の「個別化・個性化教育≒オープンスクール教育」の現代史)に引きつけながら,もう少し理論的でかつ教育学的な観点から「比較教育社会史」にもつながりのある内容にして,話そうかと思っています(予定は未定).

もしも今考えているとおりに議論を構築できれば,広田氏が2冊の新著で問題提起している思想的地平と必ず遭遇できるはず.

がむばります.