三沢光晴選手，逝去
心配停止の速報が入ってから気が気ではなかったが，残念なことに帰らぬ人となった．本当に残念でならない．というか，信じられない．あの受け身の巧みさと丁寧な選手の健康管理で定評のあったノアのトップが，バックドロップ（！）の受けで頭部を強打しこの世を去るとは．．．
ご冥福をお祈りいたします．
こまめにカードの確認をするような濃密なプロレス鑑賞をしなくなってから既に久しく，相手選手の情報なども確認していませんが，最後に技をかけた選手の心のダメージもいかばかりでしょう．素人の無責任な発言ですが，時間がかかったとしても何とか立ち直って欲しい．
報道では「２代目タイガーマスク」という形での紹介がなされているようですが，三沢選手といえばなんといっても馬場ありし頃の全日本プロレス四天王――三沢光晴，川田利明，小橋健太，田上明――時代の熱戦が思い出されます．個人的には三沢vs.小橋戦の魂のぶつかり合いのような技と受けの応酬が一番印象に残っています．
ジャイアント馬場選手が亡くなって以降のあれやこれやの時期というのは，ちょうどプロレスへの最後の情熱が冷めてしまうプロセスと軌を一にしていました．ですから，プロデューサー・三沢については何も語るべきものはありません．ただ，受けがうまく，スタミナがあり，なかなか負けないレスラーだった．見るに値する試合を必ず作ることのできる，レスラーだった．彼のようなレスラーをこそ，敬意を込めて，プロ・レスラーというのだ．
橋本真也選手が亡くなってからは，団体の離合集散がどうなろうとも，長州が復帰しようとも，高田が面白くなろうとも，総合格闘技やK-1がどうなろうとも，もうプロレスや格闘技に心揺さぶられることはなくなった，と思っていた．けれども，この訃報はショックだ．こんな亡くなりかたはない．
あの三沢が．
合掌．
