格段の進歩

これまで長年にわたる働きかけを行ってこられた関係者すべての努力がもたらした進展です.

http://www.stat.go.jp/info/guide/public/tokumei/index.htm

匿名化されたマイクロデータが広く研究者に公開されることの意義はいくら強調してもしすぎということはないでしょう.と同時に,計量データを用いつつ社会の歴史的な変容をあとづけることをテーマとしてきたタイプの研究(私自身もそうですが,近いところでは「教育の歴史社会学」系の研究群)にとっては,少なくともアーカイヴにデータが存在する現代社会を対象とする場合には越えるべき研究水準のハードルが格段に上がったことも意味します.

すでに蓄積の進んでいる社会調査データのアーカイヴ化もさらなる進展を見せていますし,

http://issnews.iss.u-tokyo.ac.jp/index.php?e=855

マイクロデータへのアクセスそのものは広く開放されるようになってきました.

だからこそ,計量社会学の方法論を携えつつ「歴史研究」として発展していく道を選ぶなら,以前に少し論じたことのある「史料批判ならぬデータ批判の作法」(http://ci.nii.ac.jp/naid/110004633775)を具体的に展開・蓄積することが喫緊の課題です.

でもそれは,やりながら,考えながら,の道ですが.